賃借人Bが賃貸人Aに対して貸金債権500万円を有していたところ、賃貸人Aにつき民事再生手続開始決定がなされた。賃借人Bは、貸金債権と賃料支払債務との相殺を主張することで、民事再生手続開始決定後の賃料の支払いを拒むことができますか。

賃借人Bが賃貸人Aに対して有している貸金債権は、再生手続開始前の原因に基づいて生じた財産上の請求権なので再生債権にあたります(民事再生法84条1項)。そして、再生債権者が再生手続開始決定後に負担した債務を受働債権とし、再生債権と相殺することは禁止されているところです。 しかし、相殺によって賃料収入がえられないことにより再生が妨げられてしまっては、再生手続をとった意義が失われてしまうことになります。 そこで、再生手続開始決定時の賃料額の6か月分相当額を限度とし、再生債権と賃料債務との相殺をすることができるとされています(民事再生法92条2項)。この相殺の意思表示は、債権届出期間満了までになされる必要があるという点については留意する必要があります(同法同条同項)。

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